2015年大阪市長選挙・大阪府知事選挙覚書
2015年大阪市長選挙候補者
高橋英尚
中川暢三
中川ちょうぞう|徹底した現場主義でプラチナシティを創造する。
中川暢三 (@Chozo_Nakagawa) | Twitter
柳本顕
柳本あきら(柳本顕)さん 大阪を豊かにする会 公式ホームページ(確認団体)
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大阪市会議員(自民党)活動外伝 - livedoor Blog(ブログ)
吉村洋文
吉村洋文(よしむらひろふみ)(@hiroyoshimura)さん | Twitter
2015年大阪府知事選挙
栗原貴子
くりはら貴子(栗原貴子) (@kuriharatakako) | Twitter
松井一郎
大阪府知事 松井一郎 | 大阪府知事 維新の会幹事長 松井一郎のサイト
選挙公報
その他
住民投票に関する他県の友人とのLINEのやりとり
橋下の嘘・今昔
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敬老パスはなくしません?JRや私鉄利用を可能にします?
橋下氏は市長選前、「敬老パスの見直しは、JRや私鉄利用を可能にするに当たって、常識的な線での上限だけ設定させて欲しい」と説明してたhttp://t.co/VD39IIKZCg 。彼が市長になった後、説明通りだっただろうか?
— 結 (@yuun08)
2015, 2月 15
矢継ぎ早に劣化する「都構想」
橋下徹と維新による都構想の説明とその後・1 「平成27年4月に都構想導入」 ⇒「もともと平成27年4月というのは現実的に無理な話」 「人口30万人規模の特別区8~9区」 ⇒70万人規模も含む特別区5区 pic.twitter.com/fxJeVMETEl
— もうすぐ33歳 (@ishincheck)
2015, 2月 14
橋下徹と維新による都構想の説明とその後・2 「都構想には4千億円の再編効果額がある」 ⇒1億円 「財政効果は都構想の全て」 ⇒「財政効果は意味がない」「僕の価値観は財政効果に置いてない」 pic.twitter.com/OZN03IhHOT
— もうすぐ33歳 (@ishincheck)
2015, 2月 14
橋下徹と維新による都構想の説明とその後・3 「区割り案…公募区長に1年間かけて3案…住民の皆さんの声をしっかりと聞いて案を作らなければ」 ⇒区長就任直後からたった2ヶ月で、住民意見を聴取せず細かい検証なく作成 pic.twitter.com/VOko9ffA0n
— もうすぐ33歳 (@ishincheck)
2015, 2月 14
橋下徹と維新による都構想の説明とその後・4 「都構想の設計図を見たくないですか」 ⇒「いちいち市民が知る必要ない」 「住民投票で反対なら政界引退」 ⇒3年前「住民投票で問われるのは区割りだけ。大阪都の是非は問われません」 pic.twitter.com/buztft1OrA
— もうすぐ33歳 (@ishincheck)
2015, 2月 14
橋下「大阪都構想は効果額の話ではない」 2015.2.19 https://t.co/AM7jVfhBq7 橋下は昨年の今頃、効果額の三色グラフを使って 「これが都構想の全てと言っても過言ではありません」 と説明していましたが。 pic.twitter.com/jaxEYhgJ0t
— もうすぐ33歳@中原徹は教育長を辞任せよ (@ishincheck)
2015, 2月 19
○出直し選挙時 橋下「都構想の設計図が見たくないですか?」 ○昨年夏 橋下「設計図をいちいち市民が知る必要はない」 ○現在 橋下「わからないでは有権者にも責任がある」 でも言論統制をしてデメリットをひた隠す橋下。信じられますか? pic.twitter.com/AjD5VNLS4K
— fckisn@大阪都構想の詐欺を暴け (@fckisn)
2015, 3月 7
5年前、橋下氏が「30万人規模の特別区にするべきだ」としてた当時、彼は「50万人を超えたら、もう住民のみなさまの顔が見えなくなる」http://t.co/EMSpHDRwro と主張していた。 今度の住民投票の新南区は69万人、新北区は63万人、新東区は58万人
— 結 (@yuun08)
2015, 3月 16
「(大阪都構想で)住民サービスが極端に下がることはない」http://t.co/Mpp3McZstH と橋下氏。 これまでの「下がらない」を「極端に下がらない」に後退させたが、これさえも彼は言えないはず。協定書案をまとめる過程で「どの程度の低下で済むか」を確認していないのだから
— 結 (@yuun08) 2015, 5月 11
ドーンセンターとクレオ大阪は「二重行政」?
大阪維新の会が二重行政の一例として上げていた施設に大阪府のドーンセンターと大阪市のクレオ大阪がありました。
しかし、府知事時代の橋下さんはドーンセンターを潰そうとしていました。クレオ大阪だけ残っても、大阪市民以外の受け皿がなくなってしまいます。ドーンセンターを残すとしても、そもそもそのドーンセンターを潰そうとしていたのは橋下さんでした。
橋下さんは単に自分が潰したい施設を「二重行政」という言葉でオブラートに包んで政治抗争に利用しているのではないでしょうか。
堺市の竹山市長はボーナスを2回もらった?
橋下さんが2015年2月15日に堺市内で行なった街頭演説で発言した内容について、竹山市長によるご意見です。
堺市内での維新の会タウンミーティングに関する取材がありました」
赤バスはなくなりません?
@ahobonbon @ManabeToshinaga 過去の橋下発言! 赤バスはなりません偏向報道だと発言してた 2:30秒から http://t.co/DdJoPcHz1s その後、ほとんどの赤バス路線は廃止された・・・ 橋下発言を信用できるの? 大阪市民は考え無いと・・・
— ナニワ大阪 (@tanabe959)
2015, 2月 23
選挙が終わればサービスカット
つい2年前、選挙後になって唐突に「贅沢を改める」「他都市と同レベルに」http://t.co/CCgV83w4zQ と言い出した。もうすぐ選挙なんだね RT @tohohodan 大阪市幹部会議 「全国トップレベルの市民サービス目指す」pic.twitter.com/Ni4n3BvwOg
— 結 (@yuun08)
2014, 9月 9
維新2011統一選マニフェストには「特別区は、現在大阪市が提供している住民サービスの全て(敬老パス制度を含む)を提供します」http://t.co/IpShlnxetWという不思議な一文がある。当然の事で普通書かないが、市民の心配を受けて書いたのだ。そしてサービス削減は実施された
— 結 (@yuun08) 2015, 5月 6
橋下氏の市長選マニフェストには大阪市の財政問題に対し、人件費削減や土地売却などで財源捻出http://t.co/Y2jV7TCk0e と記す。 だが就任4か月の予算編成で彼は「土地売却益に頼っていてはいけない。大阪市民の住民サービスは贅沢過ぎる」と住民サービス大幅削減を言い出した
— 結 (@yuun08) 2015, 5月 6
「大阪府廃止構想」から「大阪都構想」へ
パソコン作業をしていたら、懐かしいデータが出てきたのでご紹介いたします。橋下知事「府を解消する」権限市町村へ移譲検討。 pic.twitter.com/ERUnpjv9mo
— 床田正勝 (@tokodamasakatsu) 2015, 5月 12
民主主義をバカにしているのは誰?
「僅差でも多数意見は多数意見として扱わなければならない」と朝日新聞を避難していたのに、住民投票では反対多数の民意を無視しようとする橋下さん。
朝日新聞は、結局のところ、自分たちの価値観に合うものは51%の賛成でも突破せよ。そして自分たちの価値観に合わないものは49%の反対を尊重せよと言う論。何とも民主主義をバカにした論だ。筋は一つ。決定できる民主主義で51%を尊重するのか。
— 橋下徹 (@t_ishin) 2012, 3月 15
3年間ののツイートだが、「49%の反対を尊重せよ」って、橋下氏らが、都構想の住民投票結果についてやってることだよね。 「何とも民主主義をバカにした論」とのことだが、そうか、彼らは、民主主義をバカにしてるのか https://t.co/MV3ZSTgkjt
— 結 (@yuun08) 2015, 11月 16
保育士を増やすには?
2013年12月、維新・橋下大阪市市長は、市の保育士等の給与の削減を指示した。
— 日本人ジョーク(bot) (@Japanese_Joke) 2019年1月20日
2016年3月、橋下市長は、保育士の不足に「給料を上げれば良い」と公言した。
2019年1月、維新・吉村大阪市長は、保育士不足対策に帰省費用やUSJ年間パスポートの購入費を一部補助する方針を示した。
「大阪都構想」が作り出す「ムダ」──多重化した現実を生きること
「大阪都構想」はなぜわかりにくいのか
「大阪都構想」は2つの顔を持っている。「大阪都構想」とは、大阪市を無くし、選挙で選ばれた区長と議会が区政を行なう「5つの特別区を設置する」というものであり、住民投票で判断されるのは「大阪市廃止と特別区設置の賛否」である。もう1つは、大阪維新の会の代表である橋下徹が語る「大阪都構想」で、大阪府と大阪市の二重行政のムダを解消し、権限を集中させることで大阪府が「強い広域自治体」となり、大阪市を特別区に再編することで住民に近い「優しい基礎自治体」を実現するというものである。前者は「大阪都構想」の制度的な枠組みの実体であり、後者は「大阪都構想」の理念ないし理想を述べたものと考えればよい。
「大阪都構想」がわかりにくく「説明不足」と言われる原因は、制度的な枠組みの中には橋下徹が語る理想を実現する根拠が存在せず、どれだけ説明されても夢物語の域を出ないというところにある。橋下が「大阪都構想」を唱え始めた当初は、大阪府と大阪市の二重行政を解消すれば、年間4000億円の財源が生まれ、これらを住民サービスの充実や大阪全体の経済戦略に活用できると言っていた。しかし、府市の行政業務が精査された結果、二重行政と言えるようなムダはほとんど存在せず、府市の統合効果額は年間1億円程度に過ぎず、大阪市の特別区への移行コストは少なく見積もっても680億円にも上ることが明らかになった。それにもかかわらず、橋下徹率いる大阪維新の会は「二重行政を解消し、豊かな大阪を作る」というアピールをやめようとしない。
「ムダ」を作り出すための仕組み
ムダがないにもかかわらず、二重行政を解消することを強硬に主張する「大阪都構想」とは「ムダを作り出すための仕組み」なのだと言える。「年間4000億円の財源が生まれる」と強調されていたように「ムダをなくす」ことで利益が生まれると考えられている。「豊かな大阪を作る」ためには「二重行政を解消」すればいいらしい。「ムダ=二重行政」をなくせば「利益が生まれる=大阪が豊かになる」とはごく単純なロジックであり、方向性としてはまちがっていないことになる。ところが実質的な「ムダ」が存在しないとしたらどうだろう。「大阪都構想」は、現実から目を背けさせ、ありもしない「ムダ」を作り出して、われわれを先行きの怪しい未来へ引きずりこむ役割を果たしているのが実際ではないだろうか。
何をムダと考えるかは人によって、また状況によっても異なる。似たようなものであっても活用されていればムダではないし、ある人にとっては無用なものでも別の人にとっては必要不可欠なものかもしれない。そういうものの蓄積をわれわれは「余裕」と呼ぶのではないだろうか。余裕があればこそ緊急事態への対処も可能になるし、それは日々の生活に豊かさをもたらしてくれるものでもある。
多重化した現実を生きる
ホームレスの人たちと接しているとしばしば二重化した現実に突き当たる。誰もホームレス生活を送らずに済む社会であるべきだ。自立支援事業に代表される「ホームレス対策」や生活保護といった制度がある。それらの制度を利用する人もいれば、それらの利用を拒み公園や路上での野宿生活を選ぶ人たちがいる。その人たちに対して「ホームレス対策」や生活保護を押し付けることはできない。現行の「ホームレス対策」や生活保護には問題点も多く、利用したくても利用できないという現実があることをわれわれは知っているからだ。
われわれが生きている社会の現実は二重三重に重なり合っており、その人の立場や置かれた状況によって現れるものが異なるのが当たり前なのだ。これまで大阪市が行なってきた「ホームレス対策」には多くの問題点がある。しかし、それでもそれらの仕組みによって救われた人たちも多い。現実はどちらかが正しくて、どちらかがまちがっているというふうには割り切れない。われわれは「今こうしてここにいる」ことをお互いに肯定するところから出発しなければならない。誰かにとっては「ムダ」で「まちがった」生き方に思われても、その人がそのようにして今ここにいることを否定することに何の意味があるだろうか。
橋下改革の中では「民間活力の導入」の名の下に公共施設の民間委託が推進されている。「単なる憩いの場としては維持費ばかりかかる公共空間」を一部有料化して収益が上がるようにすれば「ムダをなくして利益が生まれた」ことになるのだろうか。ありもしない「ムダ」を作り出し、実質的にはわれわれの暮らしから余裕を奪うような二分法は疑わしい。われわれは多重化した現実を生きる当たり前の社会をこそ肯定し、お互いを認め合いながら豊かさを享受していきたい。それは、現実から目をそらさずに協働を模索することで今ここからでも可能なことなのだ。
連載企画「大阪都構想」を考える(吉富有治)
- 都構想のルーツを探る──古くて新しい大阪の自治体改革
- 都構想の外観を眺めてみる──中身は東京23区とほぼ同じ大阪都
- 欠ける成長戦略──都構想でなければ大阪の発展は無理?
- 大阪府市の二重行政は本当か──実態を反映しない二重行政論議
- 住民にやさしい基礎自治体──「ニアイズベター」という名の言葉のマジック
- インタビュー 自民党大阪府議団 花谷充愉幹事長──否めない行政サービスの低下
- インタビュー 東京都世田谷 保坂展人区長── 都構想に賛成する区長の声など聞いたことがない
- 賛成派の方々の取材ができなかった事情について
- わかりやすい政治からの脱却を
- [番外編]聞いてみた大阪市職員の本音!──想像しにくいバラ色の未来
- [番外編]続・聞いてみた大阪市職員の本音!──心配な行政サービスの切り捨てと有料化
- 「大阪市はなくならない」の嘘──「特別区のサービスは上がる」の欺瞞
- 今のまま? それとも悪くなる?──気になる住民サービスの行方
- 大阪都構想のお粗末さ──成長性と効率性のまやかし
- 反対多数で都構想は実現せず
吉富さんは「大谷昭宏事務所Webコラム」内にて「大阪都構想」に関連したコラムを他にも多く書かれています。
「大阪都構想」検証コンテンツ・リンク集
大阪市を解体し、大阪府内に特別区を設置しようとする構想(俗称「大阪都構想」)を検証するウェブサイト・ブログ、動画などを紹介します。
このリンク集は随時更新いたします。優れたコンテンツをご存知の方は管理人までお知らせ下さると助かります。
■動画
- 藤井教授の大阪都構想(1)──「一度やって、ダメなら元に…」は絶望的に難しい(2015.2.15公開、インターネットTV超人大陸)
- もし、大阪都構想が実現したら ~ムダとムリの都構想~ ver.1(2014.3.5公開、民主党大阪府連)
- 市民とともに大阪改革!~大阪市を解体せずに、実現します~(2014.11.18公開、民主党大阪府連)
- 大阪市を廃止解体する「都構想・協定書」の問題点(2015.1.15公開、辻義隆/大阪市会議員・公明党)→pdf版
- 頑張れ 都構想くん(2015.2.4公開、No Tokoso)──疲れた頭に効くかも?
- 平松邦夫の大阪で一番よくわかる大阪都構想ニュース──リンクをたどってほかの動画もご覧下さい。
■ブログ・ウェブサイト等
- どうなる大阪都構想(毎日新聞)
- JiMiNSiMiN(自由民主党大阪市会議員団広報紙)
- プレス民主号外(民主党大阪府連)
- 本気で考えよう!大阪都構想の不都合な真実(自民党大阪府連)
- 大阪都構想Q&A(日本共産党大阪府委員会)
- 大阪市をよくする会──機関誌やパンフレット等で頻繁に検証されています。
- 「大阪都」(大阪市廃止・分割)構想解説(大阪市政調査会)──立命館大学法学部教授の村上弘先生による「意見」のほか、雑誌『市政研究』などに掲載された検証論文のpdfがアップされています。これはすごい。
- 平松邦夫の思いつくまま(平松邦夫/前大阪市長)──前大阪市長である平松さんが大阪の政治動向に目配りして意見を述べられています。
- 橋下市長の大阪都構想を、きちんと考えてみる(結さん)──橋下さんが府知事だった時代から「大阪都構想」について具体的な数字を根拠とした厚い検証を行なっておられます。
- 辻よしたかの一期一会(辻義隆/大阪市会議員・公明党)──市会での議論の動向や辻さんの見解などがくわしく述べられています。
- 日本共産党大阪市会議員・山中智子──法定協議会にも参加されています。
- 大阪市会議員(自民党)活動外伝(柳本顕/大阪市会議員・自民党)──節目節目にまとまった記事を書かれています。自民党のスタンスもうかがえます。
- 権力による言論封殺には屈しません──橋下市長「大阪都構想」問題について(藤井聡/京都大学大学院工学研究科教授)──橋下さんが噛みついたことで一気に注目を集めました。
- 連載企画「大阪都構想」を考える(吉富有治)──長年大阪の行政の動向を追いかけてきたジャーナリスト・吉富有治さんのコラムです。
- Everyone says I love you(橋下維新の会とハシズム)──「大阪都構想の嘘」という連作記事があります。
- 大阪どーなる!?──517OSAKAわからない人のための都構想情報サイト──視覚的に工夫されたユニークなサイトです。
■テキスト──個別記事
- 「大阪都」(大阪市廃止・分割)構想の議論の進め方についての意見(2015.1.19、村上弘/立命館大学法学部教授、行政学・地方自治論)
- 知ってください!大阪都構想のこと(日本共産党大阪市会議員団)
- JiMiNSiMiN号外1.18──大阪市を消滅させない!
- 大阪市会レポート──2014冬季号(大阪市会公明党)
- 「大阪都Q&A」VOL.1・VOL.2・ VOL.3(大阪市をよくする会・明るい民主大阪府政をつくる会)──結構ボリュームがあります。
- 審判下る!いわゆる大阪都構想の設計図(特別区設置協定書)は否決(不承認)──協定書否決までの経緯が参考資料の紹介を織り交ぜてコンパクトにまとめられています。
- 迷走する大阪都構想──深手を負う地域のつながり(2014.5.1、澤井勝/奈良女子大学名誉教授)
- 「解体」で終わるおそれ(2013.9.6、毎日新聞朝刊、北村亘/大阪大学大学院法学研究科教授)
- 徹底バクロ!「大阪都構想」のウソ(森裕之/大阪自治体問題研究所副理事長・立命館大学教授
- 大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言
- 都構想で大阪市が解体されてしまった場合、大阪市が失う事業、資産を公式資料から抜き出すと驚くべき規模に(細々と彫りつける)
「けったいやなぁ」という感覚は非常に大事だと思います。なんでそんなことするんやろ…という素朴な疑問が一番大事だと感じます。(平松邦夫)_
■学術論文
- 『市政研究』『立命館法学』掲載論文へのリンク──11本の学術論文が紹介されています。
- ブックレット『地域や暮らしはどうなる?大阪都構想を考える』(一般社団法人 大阪自治体問題研究所)──奈良女子大学教授・中山徹「大阪都構想で地域の暮らしはどうなる──大阪再生への道」、立命館大学教授・森裕之「橋下市長はなぜ大阪市を解体したいのか──『廃市政策」の『大阪都』構想」の全文が読めます。
- 上崎哉、2012年「橋下大阪と構想の狙い」『近畿大学法学』60(2):142-94
- 野田遊、2012年「大阪都構想と自治──大阪市民の意向調査の分析から」『地域政策学ジャーナル』1(1):61-82
- 村上弘、2011年「大阪都構想(大阪市・堺市廃止)の極端化に新聞はどう対応したか──『府』の名称のままの柔軟な改革を検討する」『立命館法学』2011(5/6):2864-2927
- 村上弘、2011年「大阪都構想──メリット、デメリット、論点を考える」『立命館法学』2011(1):557-613
- 村上弘、2010年「『大阪都』の基礎研究──橋下知事による大阪市廃止構想」『立命館法学』3:885-976
□団体情報(アルファベット順)
- どうしよう?大阪市がなくなったら─都構想・住民投票を考える市民第集会─(大阪市分割解体を考える市民の会)
- 府民のちから2015
- 大阪はひとつになってバラバラになる
- 大阪市なくさんといてよ市民ネットワーク
- 大阪都はいらない・・・民意の声
- SADL──民主主義と生活を守る有志 Small Axe for Democracy and Life
- SAVEOSAKA.net
- 都構想に反対票を!『京都大学大学院藤井聡教授が指摘する7つの事実』平松邦夫
- We Say No! OSAKA
□参考資料
- 大阪都構想に関するトピックス──朝日新聞デジタル
- 【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ──新聞記事・動画等のまとめと紹介
- 気ままにボヤキ@姫♪──テレビ番組まとめ
- 大阪府・大阪市特別区設置協議会──いわゆる法定協議会
- どうなってんの?大阪都構想──法定協議会やテレビ番組、勉強会などの動画の文字起こしをされています。
- 投票広報──大阪市発行の投票広報です。参考になります。
運転中に携帯電話に出ようとしたら危ない
大人しくテレビを見ているからちょっと仕事しようと書類の整理など始めると「絵本読んで」と言い始める。テレビの操作がわからないから見てくれと言ってくる。これがあるから子どもの面倒を見なければならない状況では自分のことなどできない*1。大人しくテレビを見ているようで実は大人が関わってくれているかどうかを子どもたちは気にかけていて、自分を無視して個人的な作業に没頭されると邪魔をしたくなるのではないだろうか。
それはさておき、書類の整理など大した仕事ではないが、頭の中で処理の手順を組み立てながらめくっている作業を中断するのは非常に面倒くさい。中断すると作業を再開した時に頭の中で整理していた手順を忘れてしまったり、手元の書類を取り違えてしまったりするリスクがある。また、中断している最中に手順の忘却や取り違えが起こらないように気にかけながら別の用事を済ますこと自体が精神的に負担なのだ。
これは車の運転中に携帯電話に出るのは危険であるというのと似たところがあるように思う。車の運転というのは慣れてしまえばぼんやりしながらでもできてしまうものだが、ぼんやりしながらでも実際はいろんなことを気にかけながら行なっている。路上駐車している車があればよけなければならないし、よけようと思えば隣の車線の空き具合を見ておく必要がある。別の車がよけてくることも念頭におかねばならない。先読みしているからこそ回避できている危険があって、運転に慣れればなれるほど先読みできる情報が増えて、余裕を持って車を走らせることができる。しかし、これを裏返して考えると、情報を先読みする処理が一時的に途絶えてしまうと、一気に大量の危険に取り囲まれることになるということだ。
そして、これは家事にも似たようなところがある。家事というのは一つ一つは大したことがなくても、掃除・片付け、洗濯、料理といったいくつものことを同時進行させなければならないところで工夫が必要になる。
料理一つとっても、材料の下処理をしたり、お湯を沸かしたり、食器を用意したりといったいくつもの作業の組み合わせで成り立っている。使い終わった調理器具や食器を洗ったりしなければならない。料理を並べるテーブルの上を片付けたり、拭いたりする必要もある。これらの作業を一つ一つ終わらせながら進めていたら時間がいくらあっても足りないし、手が足りなくて立ち往生してしまう場合も考えられる。だから、実際には一つのことを進めながら空き時間や手順をうまく組み合わせることになる。
例えば僕の場合、料理を始める時はとりあえずお湯を沸かすことが多い。今ひとつ気乗りがしない時もとりあえずお湯を沸かす必要があるかどうかを考える。大抵の場合みそ汁を作るし、何かを茹でるのにもお湯は必要だ。お湯が沸くのには時間がかかるのでとりあえずお湯を沸かしておいて無駄になることはない。逆に、みそ汁の具を用意してからお湯を沸かし始めていたら時間ばかりかかってしまう。料理を始めようと思ったら流しに食器が残っている時がある。こういう時もとりあえず料理を始めてしまって、何かの下ゆでを始めたり、炒め物に火が通るまでのちょっとした待ち時間に洗えるだけの食器を少しずつ処理していけばいい。
調理台のスペースに限りがあるので、料理は出来上がったものからテーブルに並べていった方がいい場合がある。この時も、あらかじめテーブルを片付けて台拭きできれいにしておく一手間をどこかで済ませておかねばならない。料理ができるのをテレビを見ながら待っている家族に片付けを頼むという手段もあるかもしれないが、家事に理解のない家族ほど当てにならないものはない。テーブルの上を片付けるよう頼んでも、返事はするくせにいつまで経っても片付け終わらないので二度三度声をかけることになる。そうしているうちに調理台がいっぱいになってしまい、いったん火を消して結局自分でテーブルを片付けなければならなくなる。ここにも作業を中断せざるを得ない時の煩わしさや、先読みが破綻する危険が潜んでいる。
些細なことでも当てにならない他人に頼るとかえってストレスになる。仕方ないので料理をする前に、あるいは料理をしながらでもテーブルの準備を済ませておくのだが、この手の輩は片付けたテーブルの上を何も考えずに平気で散らかすので始末が悪い。散らかす方は「すぐに片付ける」「大したことじゃないのにうるさい」と思うのだろうが、そのつまらないことで中断させられるストレスはやつらが考えているよりもかなり大きいのである。
ここでは料理を事例にしたが、他の家事の一つ一つも似たような工夫を以って行なわれているし、それぞれの家事が同時進行で行なわれているのが当たり前だ。風呂のお湯をはるのにも時間はかかるから、何か別の家事をしている途中で蛇口をひねらねばならない。洗濯機のスイッチを入れるだけのことでも、洗い終わる時間との関係で調整する必要がある。脱ぎ散らかす方は軽い気持ちで靴下をそこらへ放置するのだろう。「まだ着るから洗わなくていい」というつもりで椅子の背もたれにかけられた服が折り重なっていったあげく、ある日まとめて洗濯籠にどさっと入れられているとうんざりする。どうせ着ないのなら最初から洗濯物に出してくれた方がいい。シャツの1枚や2枚、一緒に洗って干すのなら大した手間ではないのだ。服だけでなくタオルなども、放置されると取り込んだ洗濯物と区別がつかなくなって考え込まなければならなくなる。
邪魔する方は大したことがないつもりでも邪魔される方には目に見えない負荷がかかっていたり、いらない手間が増えていたりすることが多いのが家事というものだ。また、子どもの面倒を見ながらでもできることはあるだろうと思われるかもしれないが、子どもの面倒を見ながら手際良く済ませられる仕事というのはほとんどない。
風邪で保育所を休んでいる子どもの世話をしていて、車の運転の例えを思いついて書き始めてみたら、こんなに書くつもりはなかった家事のことがかなりふくらんでしまった。家事と育児は分けて考えた方がいい面があるのだが、家事・育児のこういった見えづらい部分を掘り下げる事例をこれからはもう少し意識的に文章化していこうかと思う。
*1:これは子どもに限ったことではないな。つまが家にいると仕事にならないのも同じだ。相手にとっては「ちょっとした」用事でもこっちは面倒くさいことをしている最中だということがわかってもらえない。