望月由紀「言葉の暴力と主体性——ジュディス・バトラーにおける主体化論」

「天職=calling」とは、何かの呼びかけに応えて使命を負うことなのだという。呼びかけに応えることを、呼び声を受け取ることと解釈すれば、これは贈与や交換と通ずる意味を帯びてくる。 呼びかけといえば、アルチュセールの「呼びかけ」とはどう関係するだ…

リテイク

帰宅した息子が腹を立てている。学校の先生の勘違いでえらい目にあったと怒っている。ひと通り話しても怒りが収まらないようなので、連絡帳に真実の訴えをしたためてやると約束した。 とはいえ事の次第が伝わるように書くには、それなりの事情を含みこませね…

路肩駐車を追い越すときに

片側1車線の対面通行の道路で、路肩駐車している車がいる場合、その車を追い越すことを考えなければいけない。追い越すためには、対向車線にはみ出さざるをえないため、対向車の有無をまず確かめなければならない。道が空いていて、対向車がない場合、何も気…

ペーパードライバーが余計なことを考えるな

幹線道路が渋滞している時、一本向こうの通りに迂回したら渋滞がマシかもしれないとは、誰でも考えつくことである。しかし、経験則からすれば、よく道を知りもしないのにそんなことはしない方がいい。特に大阪のような都市部だと、きれいな網の目に道路が通…

GPSの山向こう

Googleマップのナビ機能の欠陥 車で知らない場所を訪れる場合や、よく知らないルートを長距離走らなければならない場合、スマホでGoogleマップのナビを使うのが当たり前になっている。車だけで大阪から山口まで帰省するのは今回が2度目だった。高速網の広が…

「汚れ」は落ちるのか

うちでは一年中、水出しの麦茶を作るので、常に二つの麦茶用ボトルを回転させている。麦茶の消費量が増える夏場は、もう一本小さいボトルを間に挟んで麦茶を作る。 一本空いたらすぐに補充しなければならないので、すすいですぐに水出しパックを入れて冷蔵庫…

2016年4月3日(日)「お昼前」

今日は午後から花見の予定があったので、午前中に子どもたちをキューズモールに連れて行った。行きたがったのは娘の方だが、ポケモンのゲームがやれるとなれば息子も嫌というはずはない。 しかし、13時から友だちと遊ぶ約束で頭がいっぱいの息子は「俺、◯◯の…

『兎の眼』

赤いヒヨコも青いヒヨコもなき声は同じだった。自然のままの黄色いヒヨコも同じ声でなくだろう。声まで染められない。そう思うと毛を染められたヒヨコのなき声は精いっぱいの抵抗のように思われた。(205)兎の眼 (角川文庫) | 灰谷 健次郎 | 本-通販 | Amaz…

大阪城公園に屋根は要らない

大阪城公園で雨宿りする場所 大阪城公園には雨宿りできる場所らしい場所がほとんどない。 JR森ノ宮駅で下車して横断歩道を渡ると、公園の入り口から噴水のある広場まで水路に沿った舗道がある。噴水の背後には市民の森と名付けられた緑地が広がっている。花…

「『エパテ・ル・ブルジョア』」

経済学者のケインズが言った有名な言葉がある。 「今のことしか知らないのと、過去のことしか知らないのと、どちらが人間を保守的にするかわからない。」(『自由放任主義の終焉』筆者訳) ここで「わからない」というのが、反語的な使い方なのはいうまでも…

小島希世子『ホームレス農園』河出書房新社、2014年

「働きたくても仕事のないホームレスと、働き手がいなくて困っている農業をつなげば、どちらも助かるんじゃないか」。誰でも考えるようなことで、僕も考えたことがある。しかし、実際にやってみるとなかなか上手くいかないらしいことを、たまに見聞きする情…

維新政治の不祥事について

維新が鳴り物入りで実施した政策は様々な不祥事を頻発させながら、なかなか改善されることもありません。また、大阪維新の会、日本維新の会、維新の党、おおさか維新の会や橋下さん本人など、数多くの不祥事を起こしてきました。 ここでは、これらをまとめた…

橋下の嘘・2015年11月現在

中学校給食について 市長選挙の際に公約に掲げた手前、デリバリーランチ方式で強引に導入した結果として「美味しくない」と評判が悪く、かなりの頻度での異物混入問題を起こしている中学校給食。 何か問題が起きても絶対に失敗を認めない橋下市長は「美味し…

維新のマニフェスト実行率90%とはどういう意味か

1 「マニフェスト実行率90%」と言われると何かすごい気がしてしまうが…… 大阪維新の会が前回の大阪市長選挙で提示したマニフェストの実行率は90%だという。街頭演説ではそのようにアピールしているが、そのマニフェストとは一体何を指しているのか街頭演説で…

維新政治は大阪府市の財政を改善したか

大阪市の財政 維新候補者たちの街頭演説では、維新が登場する前の大阪市政は放漫経営であり、財政破綻寸前だったとアピールしている。平成22年の大阪市の試算では、平成27年、まさに今年には大阪市の財政は破産してしまうと騒がれた。 吉村:平成 22 年、こ…

維新政治は子ども施策に力を入れているか

橋下市政では、敬老パスを有料化した財源を「次世代」である子どもたちに投資したという。その一例として中学校給食や、小中学校のクーラー設置、子ども医療費助成などがあげられるが、これらは当人たちが街頭演説などでアピールしている通りのものなのだろ…

2015年 維新政治検証サイト

個別テーマ 維新政治は子ども施策に力を入れているか - miirakansu's blog 維新政治は大阪府市の財政を改善したか - miirakansu's blog 維新のマニフェスト実行率90%とはどういう意味か - miirakansu's blog 維新政治の不祥事について - miirakansu's blog …

連載「大阪W選挙」(吉富有治)

大阪ダブル選挙のゆくえ──候補者を地元で決められぬ大阪の不幸 候補者の擁立が進まないそれぞれの事情 大阪都構想を争点にすることの是非 「ねじれ」に苦悩する政党 平松邦夫さんインタビュー 1──大切なことは中小零細企業対策 地場にお金が回ること 平松邦…

2015年大阪市長選挙・大阪府知事選挙覚書

2015年大阪市長選挙候補者 高橋英尚 大阪三刀流政策「高尾英尚」のオフィシャルサイト 中川暢三 中川ちょうぞう|徹底した現場主義でプラチナシティを創造する。中川暢三 (@Chozo_Nakagawa) | Twitter 柳本顕 柳本あきらオフィシャルサイト 柳本あきら(柳本…

住民投票に関する他県の友人とのLINEのやりとり

「二重行政の解消って府と市の話し合いでできんの?」『法定協議会で精査した結果、そもそも二重行政が存在しないことが明らかになったよ。』「じゃあなんで一生懸命なん?」『大阪府が中央集権を図るには都合がいいからだよ。』「それって地方分権と矛盾せん…

橋下の嘘・今昔

この記事はこちらから移行しました。 敬老パスはなくしません?JRや私鉄利用を可能にします? 橋下氏は市長選前、「敬老パスの見直しは、JRや私鉄利用を可能にするに当たって、常識的な線での上限だけ設定させて欲しい」と説明してたhttp://t.co/VD39IIKZC…

「大阪都構想」が作り出す「ムダ」──多重化した現実を生きること

「大阪都構想」はなぜわかりにくいのか 「大阪都構想」は2つの顔を持っている。「大阪都構想」とは、大阪市を無くし、選挙で選ばれた区長と議会が区政を行なう「5つの特別区を設置する」というものであり、住民投票で判断されるのは「大阪市廃止と特別区設置…

連載企画「大阪都構想」を考える(吉富有治)

都構想のルーツを探る──古くて新しい大阪の自治体改革 都構想の外観を眺めてみる──中身は東京23区とほぼ同じ大阪都 欠ける成長戦略──都構想でなければ大阪の発展は無理? 大阪府市の二重行政は本当か──実態を反映しない二重行政論議 住民にやさしい基礎自治…

「大阪都構想」検証コンテンツ・リンク集

大阪市を解体し、大阪府内に特別区を設置しようとする構想(俗称「大阪都構想」)を検証するウェブサイト・ブログ、動画などを紹介します。 このリンク集は随時更新いたします。優れたコンテンツをご存知の方は管理人までお知らせ下さると助かります。 反対…

運転中に携帯電話に出ようとしたら危ない

大人しくテレビを見ているからちょっと仕事しようと書類の整理など始めると「絵本読んで」と言い始める。テレビの操作がわからないから見てくれと言ってくる。これがあるから子どもの面倒を見なければならない状況では自分のことなどできない*1。大人しくテ…

寝た子の爪を切る背徳感

小学1年生の頃、毎週爪を切ってきているかどうかのチェックがあって、家で切ってくるのを忘れて学校で慌てて工作用のハサミで切っていた思い出がある。大人になり、親になって、今度は保育所に通わせている子どもたちの爪のことを気にかけておかなければなら…

Appleから学ぶ分断工作

2013年9月にリリースされたMac用のOSX Marverics、iPhone用のiOS7。デバイスのスペックが足りていれば、どちらも無料でアップデート可能であり、Appleの「粋な計らい」のように思える。iOS7搭載の新規購入のiPhoneには、Apple製のOfficeソフトであり、これま…

宮本常一『空からの民俗学』(岩波現代文庫、2001年)

日本の土地を改良し、日本の海を活用してきた人びとの歴史。 イカを追って遠くまで船出したり、そのままその土地に居着いてしまったりする人びと。農業を営みつつも、海の恵みを得るために海辺に住む。 この国の人びとはそのようにして数千年の月日を生きて…

「駅前風景」

明治になって全国にわたって鉄道が敷かれるようになると、大きい駅の前に旅館を建てるふうがおこった。小さい駅で、客の乗降の少ないところではせいぜい茶店ができる程度であり、近くに大きな町があっても駅が田圃や畑の中にできた場合には、あまりりっぱで…