維新政治は大阪府市の財政を改善したか

大阪市の財政

 維新候補者たちの街頭演説では、維新が登場する前の大阪市政は放漫経営であり、財政破綻寸前だったとアピールしている。平成22年の大阪市の試算では、平成27年、まさに今年には大阪市の財政は破産してしまうと騒がれた。

吉村:平成 22 年、これ大阪市で驚くべきニュースが流れました。どういったニ ュースかと申しますと、大阪、大阪市が破産する。平成27 年、このまま、何もしなければ、 大阪市役所は 5 年後の平成27年、まさに今年ですけれども、財政破綻する。夕張になる。 そういうような状況だったんです。夕張のようになれば、これ財政再建団体というんですけど、夕張のような状況になれば、医療や福祉や教育といった、住民サービス、これができないというような、そういう状況になってしまいます。それくらい、大阪市の財政っていうのは悪かった。大阪市役所っていうのはめちゃくちゃ。めちゃくちゃな状況だったん です。大阪維新の会が生まれる前まで。(2015年10月17日、JR平野駅、維新街頭演説より)

 当時の大阪市の財政が危機的な状況にあったのは間違いないが、吉村氏本人が触れているように、これは「何もしなければ」という前提での試算であって、 実際にはしかるべき対応が取られ、その状況を無事脱出することができている(参考)。

 また、維新が登場する前の大阪市政が放漫経営だったというのも、維新が登場するさらに8年前くらいの話であって、橋下市長になる以前、關淳一元市長の改革に始まり、平松邦夫前市長が受け継いで、大阪市の借金は減り続けていた。大阪市営地下鉄の経営が黒字化したのも、平松前市長時代のものである。

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出典:2015年11月8日、毎日新聞朝刊

大阪府の財政

 一方大阪府の借金は増え続けており、橋下府政を引き継いた松井府政では「起債許可団体」という、吉村氏が脅しをかける「夕張」の「財政再建団体」転落の一歩手前まで追い詰められている。

 増えた借金は「臨時財政対策債」という「やむをえない借金だ」と維新候補者たちは主張している(参考)ものの、借金に変わりはなく、このまま行けば大阪府の財政は破綻する。

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