橋下の嘘・2015年11月現在

中学校給食について

 市長選挙の際に公約に掲げた手前、デリバリーランチ方式で強引に導入した結果として「美味しくない」と評判が悪く、かなりの頻度での異物混入問題を起こしている中学校給食。

 何か問題が起きても絶対に失敗を認めない橋下市長は「美味しくない給食を7割の生徒が残している」というアンケート結果について、事実と異なるアピールをしています。

 橋下市長は「少しでも残したことのある生徒が7割いたということだけ」と言っていますが、実際には「半分ぐらい食べている」「少し食べている」「ほとんど食べていない」という人が7割もいるのです。

 「この選挙が終われば自民党共産党の言いなりになる!」

 動画のリンクを貼り、日本共産党大阪市議団幹事長・山中智子さんが「この選挙が終われば自民党共産党の言いなりになる!」と動画の中で発言しているかのような誘導を行なっています。

 山中さんは「住民投票自民党は市民と共に歩み、共に考えることを学んだ」「自民党共産党の間で対話する関係ができた」といった主旨のことを述べているまでで、市民のことを第一に話し合う信頼関係が築けたと表明しているのが実際です。

 それをデマを飛ばして貶めようとする橋下さんには話し合いに参加する資質が欠けているように思われます。 

 

matome.naver.jp

(随時更新) 

 

維新のマニフェスト実行率90%とはどういう意味か

1 「マニフェスト実行率90%」と言われると何かすごい気がしてしまうが……

 大阪維新の会が前回の大阪市長選挙で提示したマニフェストの実行率は90%だという。街頭演説ではそのようにアピールしているが、そのマニフェストとは一体何を指しているのか街頭演説では触れられないのでよくわからない。

 橋下:それから改革。役所の改革とか、こういうことについては、大阪市の改革プラン。これをきちっと作りましたから、4年間で、金額ベースで実行率は90%以上、90%以上実現してるんです。ところが、新聞やテレビは、残りの、実現していない部分だけを取り上げて、橋下改革失敗した失敗したっていうんですが、僕の大阪市政改革っていうのは全国の市長、 誰もがやったことのないような、そんな改革に手をつけた。そんな改革プランのうち、90%以上は実現しています。これ、中身についてはまあ、いろいろ言いたいですけどね、中身語っていったらね、皆さん今日帰れなくなっちゃうから、はしょりますけど、90%以上実現しています。[0:59:04]それから、なんといっても大阪維新の会マニフェスト、知事と僕が4 年前に出したマニフェストも、公約ですよ。これも90%以上実現をしております。(2015年10月17日、JR平野駅、維新街頭演説より)

  大阪市の改革プランについても90%以上実現したとのことだが、その内容と照らし合わせて紹介されるわけではないので、信じるか信じないかは発言者が信用に足る人物かどうかを聞いた人の方で判断するしかない。

 しかし、マニフェストというのは90%実現できるようなものなのだろうか。そもそもどんなマニフェストだったのだろうか。維新候補者たちが言っている前回の市長選挙の時のマニフェストというのは、大阪維新の会のウェブサイトの政策コーナーに置かれている以下のpdfファイルだと思われる。

http://oneosaka.jp/policy/policydetail/pdf/manifest01.pdf 

2 維新のマニフェストには何が書いてあったのか

 このマニフェストの表紙をめくると次の4項目について、概略が述べてある。

  1. 大阪の統治機構を変える「大阪都構想
  2. 公務員制度を変える職員基本条例
  3. 教育の仕組みを変える教育基本条例 
  4. エネルギー供給体制を変える関電株主権行使 

 このうち1番の「大阪都構想」はもちろん実現していないし、4番についても何か目覚ましい成果を上げていたような記憶がない。この時点で50%は実現できていないように思えるのだが、この4つに関して具体的な施策が均等に配分されているわけではないのかもしれない。2番と3番が「職員基本条例」と「教育基本条例」の2つに代表されているのなら、この2点については「実現した」と言えるかもしれない。

 さらにページをめくり、目次を見ると、「マニフェスト総論」の後に、「マニフェスト各論」として「政策編」「統治機構・府市統合本部編」「統治機構・基礎自治編」の3章が設けられている。「政策編」は「改革編」と「市民サービス編」に分かれており、「改革編」は「公務員改革」と「教育改革」の2項目、「市民サービス編」は「子育て支援」「教育」「保健医療」「福祉」「住民生活」「防災対策、エネルギー」「計画施設についての対応」の7項目からなる。

3 なぜこのマニフェストが必要なのかわからない

 全体の構成は実際の目次を見ていただくとして、「マニフェスト各論」は「政策編」「統治機構・府市統合本部編」「統治機構・基礎自治編」の3つに分類されている。これらの分類基準は何なのだろうか?特に最初が「政策編」というのがよくわからない。「統治機構・府市統合本部編」「統治機構・基礎自治編」というのは政策ではないのだろうか。

 すでに述べたように「政策編」の肝が「職員基本条例」と「教育基本条例」にあるのなら、この部分は制度的には実現したと言えるかもしれない。その他にも街頭演説でアピールしている部分では、「市長の報酬及び退職金」「職員数の削減」などは実施していると言えるだろうし、「天下りの根絶」「外郭団体の全廃」なども、「根絶」「全廃」できているかどうかはともかく、削減したことが数字としては示されていた。

 しかし、それ以外の部分をどう評価していいのかわからない。例えば「経営形態の変更」として、「地下鉄、バス」「水道」「下水道」などの民営化・合理化について触れられている。これらがどこまで実現されているのかの検証は個人の力量には余るのだが、実際の検証以前の問題として、そもそもこれらがなぜマニフェストに盛り込まれているのかがわからない。

4 「各論」が「総論」に対応していない

 冒頭の4項目はもちろん「マニフェスト総論」の中にも、この「経営形態の変更」が必要である根拠や理由が全く示されていない。この4年弱の市政においてこれらの項目に取り組んでいたとしても、何をもって成果を上げたのかが判断できないので、評価することができない。

 「統治機構・府市統合本部編」「統治機構・基礎自治編」は「大阪都構想」と関わる部分なのだろうが、そもそも「大阪都構想」がなぜ必要で、どのような目標をもって、その目標をどのように達成していくのかがこのマニフェストではわからない。「統治機構・府市統合本部編」の冒頭には、「大阪都が実現するまでの間、府市統合本部を設置して、府市一体となって以下の政策を行います」とあるが、これらの政策が必要である根拠や理由はやはり「マニフェスト総論」の中に示されていない。目的や根拠が示されていなければ、これらは思いつきのアイデアを羅列しただけのものに過ぎない。すなわち、実現したのかどうかを確かめる基準が最初から存在しない。

5 単なる努力目標も少なくない

 「10年間で◯◯します」「2020年までに◯◯します」という、そもそも今の時点では検証の対象外のものも含まれているし、「めざします」という最初から実現度を設定していないものや、「整備します」「形成します」「育成します」「つくります」といったスローガンにすぎないものがいくつも並んでいる。このような書き方だと、アリバイ的に着手していれば、成功の見込みを考えずとも「実現した/実現に向かっている」とみなすこともできるだろう。

 街頭演説でアピールしている「大阪市信用保証協会と大阪府信用保証協会の統合」のような事例も含まれているが、これが必要である根拠や理由はマニフェストには示されていないので、仮に実現していたとしてもそれが妥当な施策だったのか、賞賛すべきことなのかどうかは別の話であり、ただ「やった」という事実があるだけだ。

6 単なる思いつきを羅列しただけ?

 「統治機構・基礎自治編」は、前2章が7〜8ページというそれなりの分量で書かれているの対して、わずか1ページしかない。そしてここも、そもそもなぜこういった取り組みが必要であるのかよくわからない。区長公選制による特別自治区、地域協議会によって運営される地域自治区、小学校区ベースの地域街づくり協議会の設置構想が述べられているが、「市内を8〜9のブロック化した区長公選制による特別自治区」が実現していない以上、全体の整合性が取れない。たとえ部分部分が作り変えられていたとしても、その取り組みの中核的な課題が実現されていなければ「目標は達成されなかった」と評価されるべき場合もありうる。

7 「実行率90%」の実体は「自己満足度90%」

 この維新のマニフェストはどのようなビジョンの下で、何をどう実現するために作られたものなのかがわからない。したがって、思いつきレベルの「何となく良さそう」なこと、有権者にウケそうなこと、単に自分たちがやってしまいたい(変えてしまいたい)ことが羅列された覚え書き以上の意味はない。

 市長選挙の際にこのマニフェストに目を通したという市民がどれだけいるだろうか。2011年の大阪市長選挙の際に大阪維新の会が掲げていたのは「大阪都構想の実現」であり、橋下さんに投票した人々は「大阪都構想の実現」なり、「何か変えてくれそうだ」という期待感で判断したはずである。もちろん、有権者にはマニフェストに目を通して判断する責任があるだろう。しかし、そもそもこのマニフェストは彼らが自己評価しようとした場合でも、実現度を測る物差しが存在しない。「実行率90%」というのは、自己評価の結果というよりは、彼らの自己満足の度合いといった方がいいだろう。

 マニフェストを掲げて選挙をする場合、その前提として、選挙の争点が明確である必要があるのではないだろうか。具体的な争点について、考えられうる選択肢を提示する場合に限ってマニフェストは意味がある。有権者が読み込んだところで評価できる範囲を逸脱したものをマニフェストと呼んで押し売りするような選挙はやめにした方がいい。

 

 

維新政治は大阪府市の財政を改善したか

大阪市の財政

 維新候補者たちの街頭演説では、維新が登場する前の大阪市政は放漫経営であり、財政破綻寸前だったとアピールしている。平成22年の大阪市の試算では、平成27年、まさに今年には大阪市の財政は破産してしまうと騒がれた。

吉村:平成 22 年、これ大阪市で驚くべきニュースが流れました。どういったニ ュースかと申しますと、大阪、大阪市が破産する。平成27 年、このまま、何もしなければ、 大阪市役所は 5 年後の平成27年、まさに今年ですけれども、財政破綻する。夕張になる。 そういうような状況だったんです。夕張のようになれば、これ財政再建団体というんですけど、夕張のような状況になれば、医療や福祉や教育といった、住民サービス、これができないというような、そういう状況になってしまいます。それくらい、大阪市の財政っていうのは悪かった。大阪市役所っていうのはめちゃくちゃ。めちゃくちゃな状況だったん です。大阪維新の会が生まれる前まで。(2015年10月17日、JR平野駅、維新街頭演説より)

 当時の大阪市の財政が危機的な状況にあったのは間違いないが、吉村氏本人が触れているように、これは「何もしなければ」という前提での試算であって、 実際にはしかるべき対応が取られ、その状況を無事脱出することができている(参考)。

 また、維新が登場する前の大阪市政が放漫経営だったというのも、維新が登場するさらに8年前くらいの話であって、橋下市長になる以前、關淳一元市長の改革に始まり、平松邦夫前市長が受け継いで、大阪市の借金は減り続けていた。大阪市営地下鉄の経営が黒字化したのも、平松前市長時代のものである。

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出典:2015年11月8日、毎日新聞朝刊

大阪府の財政

 一方大阪府の借金は増え続けており、橋下府政を引き継いた松井府政では「起債許可団体」という、吉村氏が脅しをかける「夕張」の「財政再建団体」転落の一歩手前まで追い詰められている。

 増えた借金は「臨時財政対策債」という「やむをえない借金だ」と維新候補者たちは主張している(参考)ものの、借金に変わりはなく、このまま行けば大阪府の財政は破綻する。

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ameblo.jp

 

 

 

維新政治は子ども施策に力を入れているか

 橋下市政では、敬老パスを有料化した財源を「次世代」である子どもたちに投資したという。その一例として中学校給食や、小中学校のクーラー設置、子ども医療費助成などがあげられるが、これらは当人たちが街頭演説などでアピールしている通りのものなのだろうか?

 子ども医療費助成について

 小学校入学時までだった子ども医療費助成の対象者をを中学卒業時まで、所得制限なしで拡大しており、あと7億円あれば高校生まで広げることが可能だという。これは敬老パス有料化によって生み出された財源によって可能になったとアピールしているが、実際は子どもを対象とした別の施策が削られている。

 

教育費を5倍にした

 「次世代への投資」として「教育費を5倍にした」とアピールしているが、実際には橋下市長就任以降、しばらく教育費は削減されており、2015年度に至ってようやく2011年度予算を上回っているものの、もちろん全体としては5倍になどなっていない。

 5倍になっているのは「政策的予算」とカテゴライズされている部分を指していると推測される。美味しくない、異物が混入しているとして中学校給食が問題となっているが、その改善は十分になされることもなく、決算では90億円も余らせているという話もある。

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出典 パネル風 橋下市長「教育費を5倍にした」のトリック|517住民投票|大阪市廃止分割|大阪都構想|大阪はひとつになってバラバラになる

 

その他の記事紹介

kyouikublog.wpblog.jp

 

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2015年 維新政治検証サイト

個別テーマ

維新政治は子ども施策に力を入れているか - miirakansu's blog

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橋下の嘘・今昔 - miirakansu's blog

  

ウェブサイト

大阪都構想を考える|藤井聡

府民のちから2015

大阪の真実~政策検証サイト~自由民主党大阪府連大阪ダブル選挙に関する政策解説のための特設サイト | 自由民主党 大阪府支部連合会

翔の会 平松邦夫 Official WEBsite平松邦夫さん)

今、大阪のために語り合おう。民意の声ホームページ

橋下維新の会とハシズム - Everyone says I love you !(宮武嶺さん)

大阪どーなる!? 1122OSAKA

SADL OSAKA

大阪W選挙プロジェクト“REAL” on Strikingly(SEALDs KANSAI)

連載「大阪W選挙」吉富有治さん)

橋下市長の大阪都構想を、きちんと考えてみる(結さん)

 

動画

Ani Paro - YouTube

apanerohama さんのチャンネル - YouTube

SADL CHANNEL - YouTube

大阪を知り・考える市民の会 - YouTube

 

連載「大阪W選挙」(吉富有治)

大阪ダブル選挙のゆくえ──候補者を地元で決められぬ大阪の不幸

  1. 候補者の擁立が進まないそれぞれの事情
  2. 大阪都構想を争点にすることの是非
  3. 「ねじれ」に苦悩する政党
  4. 平松邦夫さんインタビュー 1──大切なことは中小零細企業対策 地場にお金が回ること 
  5. 平松邦夫さんインタビュー 2〜──"11.22"は日本の政治を変える日に
  6. 場外乱闘
  7. 「決められる政治」は本当か

 

この記事は大谷昭宏事務所/Webコラムへのリンクを整理したものです。随時更新します。

2015年大阪市長選挙・大阪府知事選挙覚書

2015年大阪市長選挙候補者

高橋英尚

大阪三刀流政策「高尾英尚」のオフィシャルサイト

中川暢三

中川ちょうぞう|徹底した現場主義でプラチナシティを創造する。
中川暢三 (@Chozo_Nakagawa) | Twitter

柳本顕

 柳本あきらオフィシャルサイト

柳本あきら(柳本顕)さん 大阪を豊かにする会 公式ホームページ確認団体

 柳本 あきら (@yanagimotoakira) | Twitter

柳本あきらチャンネル - YouTube

 大阪市会議員(自民党)活動外伝 - livedoor Blog(ブログ)

 吉村洋文

2015秋の陣|大阪維新の会

吉村洋文(よしむらひろふみ)(@hiroyoshimura)さん | Twitter

吉村洋文 前衆議院議員

 2015年大阪府知事選挙

栗原貴子

くりはら貴子(大阪府知事候補者) 公式サイト

くりはら TV - YouTube

くりはら貴子(栗原貴子) (@kuriharatakako) | Twitter

松井一郎

大阪府知事 松井一郎 | 大阪府知事 維新の会幹事長 松井一郎のサイト

松井一郎 (@gogoichiro) | Twitter

選挙公報

2015年 大阪市長選挙 選挙公報

2015年 大阪府知事選挙 選挙公報

その他

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